فروشنده
FORUSHANDE
(THE SALESMAN)
監督:アスガー・ファルハディ
第89回アカデミー賞外国語映画賞受賞
第69回カンヌ国際映画祭男優賞・脚本賞受賞
2016年/イラン・フランス
Bunkamuraル・シネマにて [124分]
トランプ政権の入国制限命令への抗議のため、監督と主演女優がアカデミー賞授賞式へのボイコットをしたのは記憶に新しい。それでも外国語映画賞受賞。
教師エマッド(シャハブ・ホセイニ)と妻ラナ(タラネ・アリドゥスティ)は、小さな劇団で「セールスマンの死」を稽古中。そんな時に、住んでいたアパートが崩壊の危機となり、住む場所をすぐ探さなくてはいけなくなった。
同じ劇団の男が斡旋してくれたアパートで、ラナが何者かに襲われてしまう。ラナは警察に言わないと決め、エマッドは犯人捜しを始めるが──。
先日ちょうど、このエマッドみたいな行動を取った父親の出てくる映画を観た。被害者と直面するのを避けるかのように、犯人探しに熱中していく。
側にいて欲しい時にいない。そっとしておいて欲しい時には口を出す。
わかってないなぁ。
近い存在だからこそ、怖いのかな。どうして良いかわからないのかも。
自分がエマッドかラナの立場だったとして、犯人が見つかったらどうするか。知らない方が良いのか、復讐したいのか。復讐する時に、被害者が加害者になってしまわないか。
「セールスマンの死」の舞台が、気分転換になったり、役者個人の感情が出るきっかけになったりして面白かった。
エマッドの生徒が舞台を食い入るように観ていたのも印象的。
この女優さん、ちょっと薬師丸ひろ子みたい。
☆ ★ ☆
ル・シネマはBunkamuraの改装後は初めてなので久しぶり。
ラインナップは好きなんだけど、渋谷というのがネック。
行きはまだしも、帰りが……。
もう試写会以外は渋谷で映画を観たくない。